創成トンネル開通に伴う、案内標識の変化の調査レポート

(C)2009 H.Hiro

このレポートの内容

2009年3月24日、それまで札幌市中心部・創成川通の下に設けられていた「創成川アンダーパス」を繋ぐ形で、「創成トンネル」が開通した。従来は「北3条通〜大通」と「南2条通〜南5条通」がそれぞれ地下化されていたが、これが連結されて「北3条通〜南5条通」が1本の地下区間となった

これに伴い、周辺の道路における案内標識の一部が修正されていた。本レポートではその変更点を調査した結果を示す。

各地点ごとの詳細

次の地図は、創成トンネル周辺のものである。また、本レポートで説明する地点の一覧を併せて示す。
創成トンネル周辺地図

各地点における案内表示について、トンネルの入口/出口および向かう方向に分けて述べる。

1-1. トンネル南側入口付近

まず、トンネルを南から入って北に抜ける場合について述べる。

地点1は、国道36号を千歳方面から都心に向かったときのものである。従来この地点には案内標識は(おそらく)何も設けられていなかった。しかし創成トンネルの開通に伴い、小樽・石狩方面へ向かう自動車は、ここで左折して創成トンネルに入るよう案内されることとなった。

地点1地点1案内標識

地点1をこの案内に従って左折すると、地点2で右折するよう案内される。

地点2地点2案内標識

なお、ここで交差している道路の地点3にある案内標識は(おそらく)創成トンネル開通前と変わっていない。表示には「石狩 札幌駅」とあるものの「小樽」の記述はない。

地点3地点3案内標識

地点4(豊平川通の北行)も案内標識は(おそらく)創成トンネル開通前と変わっていない。ただしこちらは、以前から「小樽」の表記があった。

地点4地点4案内標識

以上、地点2〜4の側から創成川通に入ったところ(地点5)の案内標識が次に示すものである。中央の画像が外側の車線(トンネルに入らない車)、右の画像が内側の車線(トンネルに入る車)のものである。小樽・石狩へはトンネルを通るよう案内している。

地点5地点5案内標識(1)地点5案内標識(2)

なお、地点5付近で合流する道路(地点6・地点7)の案内標識は変わっていなかった。地点6は以下の通りであった。

地点6地点6案内標識

地点7は以下の通りであった。

地点7地点7案内標識

さて従来、国道36号の南側から来た車は、地点1で左折するようには案内されていなかった。そのため、地点8〜10を通ることになっていた。まず、地点8の案内標識を示す。国道12号(江別方面)へはここで右折するよう案内されている。

地点8地点8案内標識

続いて地点9(国道36号と創成川通の交点)の案内標識を示す。石狩へはここで右折して創成川通へ入るよう案内されている。

地点9地点9案内標識

最後に地点10の案内標識を示す。小樽へはまだ直進し、西にある国道230号方面へ抜けるよう案内されている。

地点10地点10案内標識

実際、国道36号の南側から小樽方面へ抜ける場合、トンネルを抜けると渋滞こそ避けやすいもののかなりの遠回りになるので、このルートを利用するのが効果的か筆者にはかなり疑問である(札樽自動車道経由で小樽へ向かう場合はこの限りではないだろうが)。

1-2. トンネル北側出口付近

南からトンネルに入る際の案内表示は前節で述べた通りである。続いて、トンネルを通って北から出た際の案内標識について述べる。

トンネルを通って北から出た際の案内標識は、トンネル出口にはなく、道路を1本越えた先(地点11)にある。ここには「石狩」の案内はあるものの、「小樽」の案内はない(この案内標識は創成トンネル開通前と変わっていないと思われる)。小樽へ向かうためにトンネルを通り、その出口に「小樽」の表記がないのは片手落ちではなかろうか。

地点11地点11案内標識

2-1. トンネル北側入口付近

続いて、トンネルを北から入って南に抜ける場合について述べる。

私が特筆すべきと感じた案内標識は1つのみで、創成川通から創成トンネルに入る直前のものである(地点12)。千歳および定山渓方面へ向かう車は創成トンネルを利用するよう案内している。

地点12地点12案内標識(1)地点12案内標識(2)

2-2. トンネル南側出口付近

トンネルを北から入り、南で出たとき(地点13)の案内標識は以下の通りである。

地点13地点13案内標識

その後直進すると、地点14の分岐点にて以下のような案内標識が現れる。この案内標識は(おそらく)創成トンネル開通前のままであり、「千歳」がないのもそのためであろう。トンネルの北出口で「小樽」がないのと同様、改善されるべきであろう。

地点14地点14案内標識

実際、定山渓や千歳へ向かうには左前の道に進むことになる。しかし大きな問題として、その先の道に現れる案内標識に「定山渓」や「千歳」の地名はないのである。そのまま直進した地点15では以下の案内標識がある。ここから定山渓に向かうには、地点15まで到達せずに、その手前で右折する(地点2をそのまま前に伸ばした経路を取る)のが最も到達しやすいルートである。

地点15地点15案内標識

一方千歳については、地点15で「菊水 東米里」方面に進み、地点16(下図)で「月寒」方面へ向かうのが正しい。

地点16地点16案内標識

参考までに創成トンネル開通前のルートを示すと、地点17(下図)にて左折することになる。こちらについては「千歳」の地名は表記してある。

地点17地点17案内標識

おわりに

創成トンネルは都心を一気に抜けられるため、バイパスとしての効果は高く、案内標識もそれを生かすという意図が見られた。しかし利用者が案内標識を見て経路を判断することを考えると、更なる案内標識の修正が必要であるとも考えさせられる結果となった。

特に、北・南ともトンネル出口の案内の不十分さを強く感じた。札幌市が案内標識を、本当に創成トンネルを生かすように作成することを願いたい。


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